家族や友人で故人との別れを偲ぶための家族葬ってどんなもの？

お葬式のスタイルが多様化する時代にあって、家族葬という言葉を耳にする機会が増えてきましたよね。家族葬という言葉は知っているものの、どのような定義付けがされているかについてはあまり知らないという人もいるかもしれません。家族葬に関する役立つ情報をお伝えしますので、葬儀の在り方を考えるための参考になさってください。

 

家族葬とは、少人数での葬儀を指す表現

家族葬とは、家族や親族、親しい友人といった故人と関係の深い人のみが参列して行われる葬儀を指します。家族葬という名称ですが、必ずしも血縁関係のある家族だけが参列するという意味ではなく、故人と親交があった親しい間柄の人が参列するお葬式が家族葬にあたると覚えておきましょう。広い葬儀場を借りて、多数の参列者がいるなかで葬儀を執り行うスタイルとは異なり、親交のあった人達が集い、故人の思い出を語り合いながら、和やかな空気で式を行えるのが、家族葬の魅力です。

家族葬に明確な定義はありませんが、参列者が30人程度までの小規模なお葬式の場合、家族葬と呼ぶことが多いです。仏式で行う場合は、従来的な葬儀と同様に僧侶を呼んで葬儀を行い、キリスト教式であれば牧師を呼んで葬儀を行います。

 

葬儀のスタイルとして家族葬が増えた背景とは？

葬儀のスタイルとして家族葬が浸透した背景には、地域コミュニティの変化が関係しています。生まれ育った地に長く住むのではなく、進学や就職、結婚によって異なるエリアに移り住む人が増えるにつれ、地域との強い結びつきが薄れてきたことが、地域密着型の大規模な葬儀より小規模な家族葬が好まれる原因として挙げられます。家族葬は、故郷を離れて暮らす人が多くなり、葬儀に呼ぶ人数が少なくなってきた時代に合ったスタイルの葬儀と言えるでしょう。

また、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出や人との接触を回避する傾向が強まったことも、家族葬の急速な浸透に影響を与えました。外出自粛を求める時期が長く続くなかで、故人との最期のお別れの機会である葬儀についても、参列してもらうのを控える傾向がみられるようになったのです。

 

葬儀で家族葬を選択するメリットとは？

小規模で行う家族葬には、どのようなメリットがあるのでしょうか。家族葬のメリットとしては、葬儀に掛かる費用を抑えられるという点が挙げられます。家族葬であれば、100万円以内の低予算で葬儀を行うこともできるため、経済的な負担を感じることなく、葬儀を済ませることが可能です。家族葬が低予算で実現できる理由としては、参列者を少人数に絞ることによって、葬儀に伴う飲食代や返礼品代、接待のための費用を削減できるからです。

家族葬のメリットは、費用面だけではありません。参列者が多い葬儀の場合、参列者への応対に追われてしまい、故人との思い出に浸りながら、ゆっくり静かな時間を過ごすことが難しいケースもあります。ごく親しい人のみが参列する家族葬であれば、故人と親交のある少人数の参列者のみが集うお葬式にできるため、思い出を語りつつ、故人と過ごせる最期の時間を大切に過ごしやすいでしょう。

自由なスタイルで葬儀を行いやすいのも、家族葬を選ぶメリットです。故人が好きだった音楽を流す、故人との思い出の品物を流す、といった葬儀を行うことができる家族葬の特性に対する理解を深めてください。

 

まとめ

近年急速に浸透している家族葬は、家族に限らず、親族や親しい友人や知人が参列して小規模で行う葬儀を指します。およそ30人までの少人数で集まり、故人との思い出を語り合いながら、静かで穏やかな時間を過ごせるのが、家族葬の魅力です。